STRONGER 34 -030〜寂しいってつぶやいてごらん-
'08.09.29

BEST 3
1位 ラ・キクチーニャ
2位 ワッタ・レジェンズ
3位 FCたけ・ぷ〜る

得点ランキング
1位:トッティ(WAT) 11
2位:ドログバ(WAT)、アンリ(MUR) 10
3位:クレスポ(KIK) 8

アシスト:ルーニー(KIK) 6

MVP:該当者なし

BEST11:
     ヘスキー
ボリエッロ   Dミリート
     アンリ
 ルーニー  レジェス
    エッシェン
ウォメ ネスタ リオ
     キャロル

*スコア:左HOME/右AWAY

1-3 1-1 0-2 0-2 1-3 1-1 0-4
2-0 1-0 1-2 2-1 3-1 4-2 3-2
5-1 2-2 1-2 2-0 4-2 3-1 1-5
3-0 0-1 3-2 0-1 5-2 3-2 1-0
3-0 3-2 2-1 0-2 2-1 2-2 0-4
4-0 0-2 1-4 1-1 3-4 2-2 0-2
6-0 0-0 4-1 1-3 1-0 4-3 1-4
2-0 0-2 2-1 3-1 1-1 5-2 2-0
32 10 2 2 28 14 14
31 19 1 3 38 15 23
31 19 1 3 28 15 13
23 7 2 5 21 21 0
18 5 3 6 29 28 1
17 5 2 7 28 27 1
6 1 3 10 26 42 -16
2 0 2 12 5 40 -35

美しくも儚く散った物語 -レジェンズを支えた皇帝- 
マコトの戦いは、ラ・キクチーニャとの死闘で幕を閉じた。ストロンガー初優勝をなしとげることはできなかったが、相当なプレッシャーの中で臨んだ今大会で、皇帝と呼ばれる男は、ワッタ・レジェンズを一つにした。

<ストロンガーのシンボル>
まるで優勝したかのように爆発させた、キクチーニャの喜びも壮絶な試合だったから当然だろう。優勝の行方を左右するこの試合でレジェンズは2点のリードを守り切れず、痛恨の逆転負けを喫した。3ゴール目が入った直後に鳴った試合終了の笛。レジェンズの戦いぶりにも納得したスタジアムからは「BEYOND THE TIME」がこだましていた。
そのとき、マコトのにらみつけるような視線の先にあったのは、クレスポのバカ騒ぎだったのか、あるいは優勝の可能性を実質的に打ち砕かれた3点目のシュートを目前で打たれた場所だったのか。
これからも脳裏にこびりついて離れることのないだろう、2点リードを奪った刹那、チームに専守防衛の指示を与えたのが、自分以外の他の人間でなかったと胸をなでおろしていたのかもしれない。裁きは自分だけが受ければいいのだと。大会が始まる前から、すべての責任を負う覚悟を決めている節が、レジェンズの監督には、確かにあった。
街中の至る場所にマコトがいた。ストロンガーの広告塔として巨大なオーロラビジョンで雄叫びをあげるマコトが見られ、若者達はみな狂ったようにバチコイダンスを踊り、社会現象とまでなった。要するにストロンガーのシンボルとして扱われていたのだ。

<夢の終わり・・・そして伝説へ、>
開幕戦で初参戦となったASカリーに洗礼を浴びせると、そこから破竹の6連勝で波に乗る。堅守をベースにドログバ、トッティが得点し、本田の張り手で決めるスタイルを確立したレジェンズはいつにない強さを発揮していた。それでも、欠点を探すのが仕事のようなメディアから「守備的でつまらない。本田ばっか使う。」と指摘されると「守備的なのではなく、強固な守備組織を持っているだけ。本田については自重する。」と返して黙らせた。

また壮絶な覚悟をオブラートで包み隠すようなエピソードには事欠かない。
AEG戦の前には敵将アナキンに生肉を食わせ、腹痛を誘発した。試合開始直前まで、ボディバカ三兄弟がアナキンのお腹を祈るようにさすっている様子を、マコトは嘲笑うかの様に見つめていた。
王者FCたけぷーる戦を前にしては、相手が「7-3で有利だ」言っていることを伝え聞くと「数字は正しいだろう。しかし7-3でレジェンズだ」と気のきいた応酬で会場に和やかな空気を運びもした。

ストロンガー初優勝の夢を絶たれるまでにこなした14試合、1260分。指揮を執り続けた濃密な時間は、おそらく自身も納得のいくものだったろう。最終節終了後、しばらく涙をためた視線は一点を見つめたままだったが、やがて思い出したように、チームメートの先頭に立ってスタジアムを一周し始めた。マコトコールで迎えられたその光景は、ストロンガーをかつてない熱狂に巻き込むことに成功した、マコト・ワタナベを支持する人々の多さを物語っていた。本当の“雄叫び”を拝める日もそう遠くないだろ。